トイレの便器で手を洗った日本人

トイレ江戸時代の終わり頃、日本からヨーロッパへの使節としてパリの一流ホテルにとまった青木梅蔵という人は、洋式トイレで用を足した後で手をあらおうとしたのだが、手を洗う場所らしきものが見当たらない。先ほど使ったトイレの便器の横にふたのついた陶器が置いてあった。

中の水は濁っていたが、青木はそこで手を洗った。しかしどうも手についた臭いが取れないと思い、通訳に尋ねたところ、手を洗った陶器の入れ物はなんとおまるだった。しかも一行全員が同じ間違いをしていたというのだ。

こうした洋式トイレ初体験の失敗談は経験者本人が書いた日記に記されているものだ。この一行は旅の途中でエジプトに立ち寄り、スフィンクスの前で記念撮影をしている。この写真は江戸末期の日本と欧米の交流について貴重な資料として残されている。